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労働法が危ない2006-07-04
弁護士 鴨田 哲郎
これからの働き方・働らかされ方に大きな影響を与える法律案の検討が進んでいます。労働時間法(労働基準法)の改正と労働契約法の制定です。労働時間法は現在、1日8時間・1週40時間以上働かせることを原則として禁止しており(36協定に基づく残業は、別)、この法律が適用されない人は極く少数です(「管理監督者」と呼ばれ、概ね、部長以上の管理職が該ります。次長・課長以下の管理職は該当しません)。また、労働契約法とは、日々の企業生活(各種人事、服務、懲戒、解雇・退職など)のルールを定める法律です。
焦点は大きく2つあります。労働時間法の改正は、この法律が適用されない人の範囲を大きく拡げようとしています(自律的労働時間制度とか日本版エグゼンプションと呼ばれています)。今ですら無限定でストレスの強い長時間労働を強いられ、過労・過労死・メンタル不全、家庭・家族や地域社会との断絶状況に置かれている人が一杯いますし、近年、労働時間の長時間化が顕著な傾向と指摘されています。労働時間法改正はこれに歯止めをかける方向で検討されるべきであるのに、全く逆方向です。これでは少子化対策としても意味がありません。適用除外の拡大に反対し、時間短縮が実現できる法改正こそ必要と、声をあげましょう。
労働契約法では、会社が一方的に定める就業規則に会社のルールとして法的効力を与える――労働者は就業規則を守る法的義務を負うことにされてしまう――ことが検討されています。労働組合が会社と十分に協議できる“強い組合”ならばともかく、労働組合がない会社で働いている人が大半なのですから、「会社のいいなりで我慢しろ」というに等しいものです。圧倒的な強者である会社を適正に規制する労働契約法でなければ、百害あって一利なしです。役に立つ労働契約法を作れと声をあげましょう。


