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<B型肝炎訴訟>被害者を救済する除斥最高裁判決

*旬報法律事務所・所報(2021年夏号)担当事件報告*

 

日本では、昭和の時代、幼少期の集団予防接種の際に注射器等が連続使用されたことで、全国で40万人以上のB型肝炎ウイルス感染者が生じました。この問題について、国は2011年に責任を認めて謝罪し、被害者を救済する法律を作り補償が始まりました。しかしながら、慢性肝炎の最初の発症から20年以上が経過した患者には、除斥期間(旧民法724条後段)という権利行使を制限する規定を根拠に、補償額が極めて低額にされました。慢性肝炎は、文字通り、慢性的に肝炎を発症するものです。長く慢性肝炎の被害に苦しんできた患者の救済を低減させることは正義に反します。

今年4月26日、最高裁判所は、20年以上前に慢性肝炎を発症し、沈静化した後に再発した患者に対し、除斥期間を適用した高等裁判所の判決を破棄して、被害者を救済する逆転勝訴の判決を言い渡しました。更に裁判長の補足意見では、極めて長期の感染被害の実情から、同様の状況にある感染者の問題も含め、迅速かつ全体的な解決を図るため、協議して感染被害者の救済に当たる国の責務が適切に果たされることを期待するとされました。被害者全員の救済に向けて国は行動すべきです。

(弁護士 梅田和尊)

旬報法律事務所