お知らせ
環境省職員の過重労働をめぐる国家賠償請求訴訟で和解が成立しました◆梅田和尊弁護士・蟹江鬼太郎弁護士
2026年10月15日、環境省福島地方環境事務所に勤務していた元職員(発病当時24歳・女性)が、過度な長時間労働によってうつ病を発症したとして国に損害賠償を求めていた訴訟において、東京地方裁判所で和解が成立いたしました。
1.事案の概要
原告は、国家公務員総合職(キャリア官僚)として採用され、入省2年目の23歳で福島地方環境事務所に配属されました。
原発事故に伴う中間貯蔵施設への除染土壌の搬入量が急増する激務部署において、経験の浅い原告に対し、過大な業務量と重い責任が集中しました。
実質的に3つの班の班長として任期付職員のマネジメントを任される一方、身近に相談できる先輩職員もおらず、連日深夜まで勤務する日々が続きました。
さらに、工事現場での事故対応など突発的で重要度の高い業務が重なり、原告はうつ病を発症し、退職を余儀なくされました。
【被告国が認定した発症前6か月間の原告の時間外勤務時間数】
| 期間 | 時間外勤務 時間数 |
平均時間外勤務 時間数 |
| 発症1か月前 | 102時間18分 | ― |
| 発症2か月前 | 66時間12分 | 84時間15分 |
| 発症3か月前 | 98時間03分 | 88時間51分 |
| 発症4か月前 | 135時間03分 | 100時間24分 |
| 発症5か月前 | 117時間25分 | 103時間48分 |
| 発症6か月前 | 62時間38分 | 96時間56分 |
2.和解の内容と意義
本件和解においては、国が原告に対して解決金を支払うことにとどまらず、「環境省の職員、特に若手職員の労働時間、業務内容、心理的負荷を正確かつ適正に把握して、負担の軽減を実施することが可能な体制を構築するよう努める」ことが和解条項に明確に盛り込まれました。
長時間労働による健康被害の防止のためには、業務効率化のみではなく、予算増や人員増、年度中途での柔軟な人員体制の編成を可能にすることなど、財政的手当を含む体制整備が不可欠であり急務であると考えます。
3.主な報道記事
● NHK NEWS WEB(全国)
『元環境省職員のうつ病発症 国が負担軽減などに合意し和解成立』(2026年10月15日配信)
URL:https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261015de59860
● NHK 首都圏ナビ(首都圏 NEWS WEB)
『元環境省職員のうつ病発症 国が負担軽減などに合意し和解成立』(2026年10月15日配信)
URL:https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261015de59856
● 福島民報デジタル
『元環境省職員 国と和解成立 業務でうつ病発症』(2026年10月16日掲載)
URL:https://www.minpo.jp/articles/-/251924
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