相談事例

相談事例(懲戒解雇時の退職金)

【ご相談内容】

部下からセクハラ被害を申し立てられ、懲戒解雇されました。
就業規則に「懲戒解雇された者には退職金を支払わない」と書かれているため、会社は退職金を支払ってくれません。
これまで20年間、真面目に勤めてきて処分歴もないのに、退職金ゼロというのはひどすぎるのではないでしょうか。

 

【弁護士の見解】

まずは、懲戒解雇の処分が相当かどうかの判断をする必要がありますが、仮に懲戒解雇が相当であるとしても、退職金の全額または一部を請求できる場合があります。
退職金の全額を支払わなくてもいいのは、これまで会社に貢献してきた功労をすべて無に帰すような著しい背信行為を行った、といえる場合のみです。

裁判で争われたケースでも、不正な経理処理等が懲戒解雇事由に該当するとしつつ、退職金全額の支給を認容した事案や、鉄道会社の職員が私生活において痴漢行為を犯したことについて懲戒解雇処分となったが、退職金3割の支給を認容した事案などがあります。

 

【対応について】

懲戒解雇の具体的な理由について、会社から書面で提示してもらいましょう。
また、会社の就業規則と退職金について定めた規程があれば、それを入手してください。

退職金請求の消滅時効は5年です。
退職金を請求できるかどうかは、懲戒事由の内容やその他の事情によって変わってきますので、経験豊富な弁護士にご相談ください。

旬報法律事務所