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年越し支援・コロナ被害相談村

*旬報法律事務所・所報(2021年夏号)Up To Now*

 

昨年 12月、住居等を失って困っている人を年末年始に支援するボランティア活動を行うことを決意し、新宿区立大久保公園での「年越し支援・コロナ被害相談村」を棗一郎弁護士と一緒に立ち上げました。

相談村の中心メンバーは、「年越し派遣村」で活動したメンバーや新型コロナ災害緊急アクションのメンバー、有志弁護士、労働組合で、皆で1週間ほどの短期間で計画を立て、スタッフや物資等の準備を進め、開村することができました。

相談会には3日間で延べ344人の相談者が来訪し、女性の相談者も延べ62人いて(全体の18%)、女性の困窮がより表面化している実態が浮き彫りになりました。

相談者の3分の1を超える人達は住まいを失っていて、路上や公園、ネットカフェ、知人宅等で暮らしているという状況でした。また、携帯電話を持っていない、持っているけれど料金滞納等で使用ができないという人が多数を占めていました。手元にお金もなく収入もなければ、携帯電話もないため仕事すら探せない、面接を受けても連絡がつかないと困ると言われて採用してもらえない、生活保護の申請はどうしても躊躇してしまう、申請に行っても窓口で追い返される、扶養照会で親や兄弟に知られるのが怖い、といった話を沢山聞きました。相談会実施後も支援活動を続け、私も生活保護の同行申請を行うなどしました。

年末年始以降も困窮した人たちの相談や支援活動に取り組んでいますが、公的支援が行き届いていない、正確かつ十分な情報も届いていないということを強く感じます。政策上の怠慢がこれ以上人々を苦しめることがないよう、早急かつ確実な支援を求めていきたいと思います。

(弁護士 大久保修一)

旬報法律事務所