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育児休業をとりやすくなりました

*旬報法律事務所・所報(2021年夏号)Up To Now*

 

育児休業に関する法改正がなされました。ポイントは以下の5点です。

 

① 産後8週間の期間に最大4週間(2回に分割可能)の「出生時育児休業」を取得できる制度が新設されました。「男性版産休」とも呼ばれ、出産直後に男性が育休を取りやすくすることが狙いです。一定の範囲で休業中の就業が可能ですが、形だけの育休にならないように適正な運用が求められます。

② 1歳までに育児休業を2回に分割取得できるようになります。また、1歳以降も育休を延長する場合に、これまでできなかった期間途中からの取得が可能となり、例えば期間途中に夫婦で育休取得を交代することができます(①②の施行は2022年秋予定)。

③ 企業は、妊娠や出産を申し出た従業員に育休制度の周知や取得の意思があるかを確認することが義務づけられます(2022年4月施行)。

④ 有期雇用労働者が育休取得するにあたっての「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件が原則として廃止されます(ただし、労使協定で要件化することが可能)(2022年4月施行)。

⑤ 従業員が1000人を超える企業には、育児休業の取得状況を毎年公表することが義務づけられます(2023年4月施行)。

 

実際に取得が進むかは職場の実績や雰囲気によるところが大きいので、制度が形だけにならないよう積極的な活用が求められます。

(弁護士 市橋耕太)

旬報法律事務所